ラスベガスの全カジノから、生涯出入り禁止のブラックリストに指定された男がいた。彼の呼び名はアーチー・カラス。

カジノで勝った直後のカラス

ギリシャ生まれのカラスは1992年に、たった50ドル(約5,000円)の資金を持ってラスベガスまでの長い旅に出た。カリフォルニア州からラスベガスまでの道のりを、中古の車に乗って延々と運転をし続けていた。超長距離の車の運転は非常に疲れるものであったが、カラスには苦ではなかった。なぜなら彼の胸には大きな希望があったからだ。

カラスは主にポーカーやバカラ、時にはサイコロもプレイした。ラスベガスへの道のりの途中で、各所にあるカジノに寄っては持ち前の度胸と冷静な判断力によって大金を稼ぎ、ラスベガスに到着した頃には50ドルが1万ドル(約100万円)にもなっていた。

「俺はこの街でも勝ち続けることができる」

カラスの目にラスベガスの街は、希望の光に包まれた聖なる街として映っていた。通りすがりのホームレスが彼を満足そうに見つめ、こう呟く「君は自信に満ち溢れているね」

カラスが旅を始めてから3年が経過する頃には、50ドルの軍資金が4000万ドル(約40億円)になっており、その頃にはラスベガス中の全カジノから《生涯出入り禁止》のブラックリストに指定されている。

カラスのバカラ勝負を観戦した人物は後にこう語っている。

「とにかく賭ける金額が大きかった。まるでできるだけ早く全てのお金を失って、この街とおさらばしたいような、本当にそんな印象を受けるほど、ハイスピードで大きい金額を賭けていたんだ。あんなギャンブラーはもう2度とお目にかかれないだろうね」

観客には自殺行為とも取れるような賭け方だったが、カラスには十分な勝算があったのだ。緻密な計算を好むギリシャ生まれのこの男には、誰にも教えていない秘密があった。

カラスは現在、ネバダ州内のとある刑務所に服役している。

あるカジノからカードゲームの際に、カラスがカードに印をつけていた証拠の映像が当局に提出されていたのだ。伝説のギャンブラーカラスは、自分だけのとっておきの方法をいまでも刑務所の中で考えているのかもしれない。

 

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